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シーン別スーツ(フォーマル・礼服)

タキシードはもう怖くない~簡単に分かる着こなしのルールと押さえるべきポイントは~

(最終更新日:2025.12.01)2022.08.26 # シーン別スーツ(フォーマル・礼服)

「タキシード」と聞いて、あなたはどんなイメージを連想しますか?

「着こなしのルールが分からない」「フォーマルなんて着たことがないから不安を感じる」「小物やアクセサリーなど、コーディネートが難しそう」など、そんなネガティブなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「タキシード」の着こなしに難しさを感じているあなたの為に、簡単に理解出来るようになっています。この記事を読めば、あなたも明日からタキシードを着るのが全く怖くはなくなります!

 

タキシードとは

「タキシード」とは、男性用の礼服の一つで夜間の時間帯の宴席や、ちょっとかしこまったパーティーなどで身に付ける服装のこと。具体的には拝絹付きの衿を特徴にする、シングル一つボタンのシンプルな背広式ジャケットと側章付きのトラウザーズからなる上下服の事をいいます。

タキシードの歴史と国による呼び名の違い

タキシードが初めて登場したのは、1886年です。アメリカ、ニューヨーク州にあった「タクシード・クラブ」の第一回の舞踏会でユニフォームとして着られた事が歴史の始まりとされています。

(引用:https://www.rental-tuxedo.net/archives/)
タキシードは国によってそれぞれ呼び方の違いがあります。「タキシード」とはアメリカ風の呼び方であって、イギリスでは「ディナージャケット」と呼ばれています。また、フランスでは「スモーキング」と呼んでいます。

タキシードが一つボタンである理由とは

タキシードが一つボタンであることは冒頭で説明させて頂きましたが、それには理由があります。タキシードは本来寛いだ部屋着としてスタートしているので胸元をきっちりと閉めておく必要がなかった。つまり今のガウンなどに似た服としてスタートしています。今では正式なフォーマルウェアとして認識されている。タキシードが寛ぐための部屋着がスタートだったと言うのはとても面白い歴史ですよね。

 

フォーマルの中でのタキシードの位置づけとは

フォーマルの着こなしには昔からの厳格なルールがあります。タキシードの着こなしを理解する上でも知っておくことは大事です。フォーマルウェアにはカテゴリーがあります。具体的には下記の4つです。

・昼間正礼装・・・昼間の最も格式高い場で着用するフォーマルウェアの事を指し、モーニングコートなどがこれに該当します。
・夜間正礼装・・・夜間の最も格式高い場で着用するフォーマルウェアの事を指し、イブニングコートなどがこれに該当します。
・夜間準礼装・・・正礼装の次に格式の高いフォーマルウェアの事を指し、タキシードやディナージャケットなどがこれに該当します。
・略礼装・・・・・礼服の中では最も格式の低いフォーマルウェアのことを指し、ブラックスーツなどがこれに該当します。

▽ドレスコードの種類や注意点について詳しく知りたい方はこちら。

■ 関連ページ:男性のドレスコードの種類は?着用シーンや注意点を徹底解説

 

タキシードを着る上で知るべき時間のルールとは

フォーマルドレスコード一覧表ご覧いただけたでしょうか?表の見方としては、縦軸が着用する時間帯を表し、横軸が格式の高さを表しています。タキシードは夜間に着用する準礼装であることを表でも位置づけていますが、タキシードは午後6時以降に着るものとされています。どうして「午後6時以降」が重要であるかというと、理由は夜間照明の有無になります。日中の自然光で映える服と夜間の照明のもとで映える服は異なるという考え方に基づいています。例えば昼間の自然光の下で着る場合はフラノのような素材が向いているし、逆にタキシードの光沢のあるサテン生地なら夜間照明を受けた時の方が美しく見えるからです。

 

タキシードの種類

▲(左)ショールカラー(右)ピークドラペル▲
(引用:https://www.tuxedostation.jp/t001/)
タキシードには2つの種類があります。代表的なものはショールカラータイプです。もう一つのピークドラペルタイプはディナージャケットとも呼ばれています。

現在ではどちらもタキシードの総称で通用するのですが、細かく説明すると、ショールカラーのタキシードがアメリカ流に解釈されたセミフォーマルウェアなのに対して、ピークドラペルのディナージャケットはイギリス流に解釈されたセミフォーマルウェアとも。

ジャケット

ショールカラーとピークドラペル、2種類あるジャケットですが、それではどちらを選べばよいのでしょうか?

<ショールカラー>

ショールカラーはアメリカ流のセミフォーマルの考え方があるので、少し崩したイメージになります。※正式なタキシードスタイルの蝶ネクタイの合わせは黒になります。

<ピークドラペル>

ピークドラペルはイギリス流のセミフォーマルの考え方があるので、よりカッチリしたイメージになります。※正式なタキシードスタイルの蝶ネクタイの合わせは黒になります。

自分がどちらのイメージにしたいのかを選ぶ基準にすると良いでしょう。またオーダースーツ専門店なら好みの生地で、好みのラペルのスーツを仕立てることができます。

<ノーベント・フラップ無しの両玉縁ポケット>

▲(左)フラップ無しの両玉縁ポケット(右)ノーベント▲

タキシードのディテールで押さえるべきポイントは、ノーベントでフラップ無しの両玉縁ポケットです。ベントは元々乗馬用、フラップは雨除け用としての意味があるディテールなので、室内で着用するタキシードには不要なディテールとなります。仮にフラップがついていたとしてもポケットの内側にしまっておくことをオススメします。

ベスト(ウエストコート)

タキシードに合わせるベスト(ウエストコート)は、通常のベストに比べてVゾーンの深いボタン数の少ないタイプになります。Vゾーンが深い理由はシャツのヒダ胸を見せる為です。前の打合せは、好みによってシングル前でもダブル前でも着用は可能です。ベスト(ウエストコート)の目的はシャツのヒダ胸以外の部分とサスペンダーを見せないための役割になります。色合わせや素材感のルールとしては、ボウタイと揃えるという原則があるので注意して下さい。

また、ベスト(ウエストコート)の代わりにカマーバンドを合わせるのもOKです。これも色合わせや素材感はボウタイと揃えて下さい。

トラウザーズ

トラウザーズはジャケットと揃いの素材が正式です。脇には側章と呼ばれるシルク地のテープをあしらった1本の線が入ります。トラウザーズの穿き方としては、ベルトループを使用せずにサスペンダーを使って穿く事が正式なものとされていますが、最近ではベルトで穿く事も多くなっています。

サスペンダーはフォーマル度の高いものとして、パールグレイやライトグレーの無地タイプのものをオススメします。またパンツの裾は、折り返しのないカフレスと呼ばれるシングルカット上げが正式なものとなります。

ドレスシャツ

タキシードに合わせるドレスシャツは、白無地でプリーテッドブザムと呼ばれるヒダ胸のシャツが標準的になります。胸にプリーツを配したシャツのことで、このプリーツが細かく本数が多いほどドレッシーなシャツとされています。

それ以外には胸部分を切り替えたスターチトプザムと呼ばれるイカ胸タイプやフリルを飾ったドレスシャツなどもあります。襟はウイングカラー、レギュラーカラーはどちらも大丈夫なので好みで選んで下さい。また袖口のカフスは、一般的にはシングルカフスですが、ダブルカフスでも問題ありません。

ネクタイ

タキシードのネクタイはブラックの蝶タイになります。素材はシルク地で色が黒が正式になります。黒は汚れが目立ちにくく素材のシルクはシワになりにくいという特徴がありますのでブラックタイが一般的です。

ポケットチーフ

ポケットチーフは、色は白かシルバーグレー。素材はシルクかリネンの2種類です。色が白であればリネン素材、シルバーグレーならシルク素材がいいでしょう。夕方以降の式やパーティーには光沢のあるシルク素材がオススメです。昼間の式やパーティーなら光沢のないリネンのチーフでもOKです。

ソックス&シューズ

(引用:https://www.leon.jp/ https://wowma.jp/item/)
ソックスは、黒無地シルク素材性の長靴下が基本ですが、ナイロン製などでも大丈夫です。シューズについては、“黒のエナメルレザー製のオペラパンプス” が基本ですが、同じエナメルレザー製であれば、紐結びタイプの “プレーントゥ” や “ストレートチップ” でも大丈夫です。

ハット&グローブ

(引用:https://muuseo.com/hats-style/ https://item.rakuten.co.jp/excy/)
ハットをもし被るなら “黒のボウラー型(写真右上)” もしくは “ホムブルグ型(写真右下)” はも大丈夫です。グローブに関しては、もし持つならライトグレーの表革製が良いでしょう。

▽タキシードの着こなし方とコーデを知りたい方はこちらをチェック。

■ 関連ページ:タキシードとは?結婚式の新郎にもゲストにもおすすめの着こなし方とコーデをご紹介!

 

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Tags: 江森義信

Supervisor - この記事の監修者

Global Styleクリエイティブ・ディレクター
江森義信

大学卒業後、アパレルメーカーにてミラノコレクションにも参加するイタリアブランドのデザイナーとして11年のキャリアを積む。チーフデザイナーを歴任後、フリーとなり、オリジナルブランドのセレクトショップや百貨店での展開。大手アパレルや小売店、商社など、様々なプロジェクトのデザインやディレクションを手掛ける。

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