皆さんこんにちは、GINZAグローバルスタイルグランフロント大阪店の北邑です。
今回はスーツの歴史について解説したいと思います。

スーツの歴史は、実は16世紀のヨーロッパまで遡ります。当時の貴族や上流階級の男性たちは、豪華な刺繍や装飾が施された衣装を身にまとい、自らの地位や権力を誇示していました。服装そのものが「権力の象徴」だったのです。
現代スーツの原型は”3つ揃え”にあり
17世紀から18世紀初頭にかけて登場したのが、「コート・ベスト・ブリーチズ」の三部構成のスタイル。このスタイルは、フランスのルイ14世やイギリスのチャールズ2世といった王たちの影響を受け、宮廷から広く一般へと広がっていきました。
ここに、現代スーツの基本となる形が確立されていきます。
すべて同じ生地ではなかった時代

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%95%E5%BO%BE%E6%9C%8D#/media/File:BrummellDighton1805.jpg
実は、19世紀中頃までは、現在のように「すべて同じ生地で仕立てる」という概念はありませんでした。ジャケット・ベスト・トラウザーズはそれぞれ異なる素材で作られていたのです。
その理由の一つが、当時の移動手段。馬での移動が主流だったため、トラウザーズには耐久性の高い厚手の生地が選ばれていました。つまり、各アイテムには”用途に適した素材”が使われていたのです。この名残が、現在の「モーニング・コート」や「イブニング・コート」に見られます。これらが「スーツ」と呼ばれないのは、上下で同じアイテムではないため。そこには、時間もコストも惜しまない、当時ならではの贅沢な価値観が反映されています。
スーツは”くつろぎ着”から始まった

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%8C%E5%BA%83%#/media/File:FDR_at_Groton_April_1900_JPG
以外かもしれませんが、スーツの原型である「ラウンジ・スーツ」は、もともと正装ではありませんでした。
当初は、モーニングコートのようなフォーマルウェアから着替え、「ラウンジ・ルーム(くつろぎの空間)」で過ごすためのリラックスウェアだったのです。
それが19世紀後半(1880年頃)になると、「近所に出るくらいなら問題ないだろう」と外出着としても着られるようになり、現在のスーツへと進化していきました。
「スーツ」という名前の意味
「スーツ(suit)」という言葉には、「ひと揃い」という意味があります。これは、ジャケット・ベスト・トラウザーズを同じ生地で仕立てた一式を指す言葉として使われるようになったことが由来です。ちなみにホテルの「スイート(suite)」も同じ語源で、「部屋が一式揃っている」という意味から来ています。
まとめ/スーツは”機能と文化”の結晶
スーツは、権力の象徴としての装いから始まり、やがて実用的なリラックスウェアへと変化し、現代のスタンダードな服装へと進化しました。その背景には、時代ごとの価値観やライフスタイルの変化が色濃く反映されています。ただのビジネスウェアではなく、スーツは歴史と文化が詰まった”完成された服”なのです。



