皆さまこんにちは、GINZAグローバルスタイルグランフロント大阪店の北邑です。
今回はネクタイについてお話したいと思います。
私たちが普段「ネクタイ」と呼んでいるこのアイテム。実は国によって呼び名が異なります。
イギリスではシンプルに「タイ(tie)」、アメリカでは「ネックウェア(neck wear)」や「ネッククロース(neck cloth)」と呼ばれています。
日本の「ネクタイ」という言葉は「首(neck)に巻くタイ」という意味から生まれた和製的な表現です。
一方フランスでは「クラヴァット(cravate)と呼ばれ、その歴史は17世紀まで遡ります。
ネクタイの起源は”クロアチアの兵士”

※太陽王 ルイ14世
ネクタイのルーツは意外にも軍隊にあります。た
17世紀、フランス王ルイ14世紀のもとに派遣されたクロアチアの騎兵隊。彼らは首に白い布を巻いており、それをみた王が強く気に入ったことがきっかけで、宮廷内で流行したといわれています。
「クロアチア(Croatia)」はフランス語で「クロアット(Croate)と呼ばれ、これが転じて「クラヴァット」という言葉になりました。
また当時、その布は兵士のお守りとして、妻や恋人から贈られるものでした。単なる装飾ではなく、想いのこもったアイテムだったのです。
結ぶ文化から現代の形へ
初期のクラヴァットは首に巻き付けるスタイルが主流でしたが、やがてイギリスの社交界へと広まり、「アスコットタイ」へと変化していきます。
そして1850年代、現在のシャツの原型である折襟(タブカラー)が登場したことで、現在のように”垂らして結ぶ”スタイルが定着していきました。
当時のスーツは釦位置が高く、ネクタイの見える部分が少なかったため、1860年代には「パフタイ」と呼ばれる、蝶ネクタイの原型も広く使われていました。
現代ネクタイの完成「フォア・イン・ハンド」

1900年代に入ると英国ではクラヴァットが男の紋章といった意味合いを持つようになりました。当時は糊で固めたハイカラーのシャツに細い幅のクラヴァットが結ばれました。当時は衿の開きが狭いラウンドカラーが流行していたため、結び方はプレーンノットで小さく結ぶのが一般的でした。
1920年代頃には現在の基本形である大剣と小剣のある「フォア・イン・ハンド」が確立されます。
この名前は、当時イギリスで一般的だった四頭立て馬車(フォア・イン・ハンド・キャリッジ)に由来すると言われています。
またこの頃、ネクタイの生地はバイアス(斜め)裁断されるようになり、結び目をほどいても形が崩れにくいという、現代にも通じる技術が取り入れられました。
柄も進化し、それまで主流だったストライプやドットに加え、動物柄など多様なデザインが登場します。
時代とともに変わるネクタイのスタイル
ネクタイは時代ごとに大きく姿を変えていきました。
・1930年代:スーツは肩幅の広いボールドルックが主流に。襟幅が広く、ダブル前のスーツにボウタイを合わせるボウタイスタイルが流行
・1940年代:シャツの襟の開きが広がり、結び目も大きく(ウィンザーノットの普及)
・1950年代:一転して細見・小ぶりな結び目が主流に
このように、ネクタイの幅や結び目は約10年周期でトレンドが変化していきました。
日本に伝わったのはいつ?
ちなみに日本にネクタイを初めて持ち帰ったのはジョン万次郎。1851年、アメリカから「白鹿襟飾三個」を持ち帰ったことが最初とされています。
まとめ 流行に流されず、自分のスタイルを持つ
ネクタイは、兵士のお守りとして始まり、王侯貴族の装飾となり、現代のファッションへと進化していきました。
その歴史を見ると、流行は常に変化し続けていることがわかります。
幅が広くなったり、細くなったり。結び目が大きくなったり、小さくなったり。
だからこそ大切なのは、流行を理解しつつも、「自分に合ったスタイル」を持つこと。
ネクタイは単なるアクセサリーではなく、自分自身を表現するための重要なアイテムなのです。



