スタイリストブログbyオーダースーツ専門店 Global Sytle

クラシックとクラシカル
2026.02.07 GINZAグローバルスタイル・コンフォート 札幌パルコ店
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こんにちは。

 

鈴木(晴)です。

 

 

皆様はクラシック回帰という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

昨今のスーツのトレンドとして様々な媒体で取り上げられています。

 

しかし、その意味が勘違いされているのをご存じでしょうか。

今回はクラシックについて解説します。

 

 

クラシックとは

 

クラシックと聞いてまず思い浮かぶのは古いものといった意味だと思います。

クラシック音楽などとも言うのでより一層そのイメージが強いでしょう。

確かにクラシックという言葉には「古典的な」という意味合いが含まれますがスーツにおけるクラシックとは異なります。

 

Classic(クラシック)とは(Weblioより)

一流の、最高水準の、典雅な、高尚な、古典の

 

このように古いという意味以外に「一流の」「最高水準の」という意味が含まれています。

 

スーツ業界におけるクラシックとはまさにそれのことです。

「古典の」という意味と区別するため、そちらは一つの意味でしか使用されない「classical(クラシカル)」という表現を使います。

 

スーツが生まれてから百余年、様々なテーラーがどうやったらスーツ姿が一番美しくなるかを試行錯誤してきました。

そうして定まったのがスーツにおける「クラシック」です。

 

 

 

 

クラシックサイズとは

 

一言で言えば身体に合ったサイズです。

身体のラインが出るようなぴったりと体型に沿ったサイズではありません。

 

スーツを着たときに一番スタイルが良く見えるサイズを「身体に合った」と言います。

したがって体に合ったスーツを着ると、緩く感じる人が多いです。

 

では、具体的にはどういうサイズを指すのか。

スーツのサイズは総丈・バスト・ウエスト・ヒップの4か所の数値を目安にすべて計算で導き出すことが出来ます。

 

 

ジャケット

 

・肩

スーツは肩で着るという言葉もあるほど、肩は重要です。

他の部分のサイズが適切でも肩が合っていなければ全体の印象は引っ張られます。

 

適切なサイズの見方は、腕をまっすぐに下した際に袖の付け根に一切皺が出ないのが適正サイズです。

三角筋と呼ばれる腕の付け根部分が膨らんでいたり、肩パッドの下に皺が出来ているとサイズが適正ではないということになります。

 

左:適正、右:小さい

 

サイズが小さければ、腕を大きく動かした際に二の腕に生地が食い込んでかなり痛いです。

そのため、タイトなサイズが流行っていたとしても小さくしてはいけません。

 

タイトなスーツスタイルで代表的なダニエル・クレイグの007もウエストにしわが出るほどかなりタイトなサイズ感ですが、肩はしっかりと合わせています。

(この時期が一番小さいサイズが流行っていました)

 

https://mezzoforte-lounge.com/columns/james-bond-suits-style/

 

 

・バスト

適正を着せると「もっとタイトにしたい」と言う方がたまにいます。

バスト部分のシルエットはサイズではなく型紙に由来するため、基本的にサイズを大きくしようと小さくしようと変わりません。

肩と同様に腕が上げづらくなるだけです。

 

そのためバストに関しても、流行でサイズを変えるのは推奨しません。

やったとして1~2cm程度です。

 

適切なサイズの見方は、肩甲骨あたりのゆとりが左右でそれぞれ親指の第一関節ほどある状態です。

別の見方として両腕を前に突き出して前ならえの姿勢を取った際、脇が多少突っ張る程度(食い込む様な痛みがない)状態が適正です。

突っ張りが出てしまうのはスーツの構造上仕方のない部分になります。

しかしこれはスーツを着た状態で動く最大の動きですので腕を組んだり食事、PC作業などには支障ないと思います。

 

 

・ウエスト(中胴)

肩・バストはサイズを小さくするのはNGですので、細身のスーツを作るならばここを絞るという選択肢になります。

やり過ぎると釦が閉まらなかったり、皺が大きく入ってしまいます。

 

身体を鍛えている人はかなりウエストがくびれていますが、だからといって細くし過ぎるとシルエットがおかしくなりますので加減が大事です。

 

一般的な体型の人を基準としたときに適切なサイズの見方として、直立時にウエストに釦やジャケットが触れない状態が標準です。

細身のサイズ感ならば、釦がウエストに当たっている感覚がありつつしわが出ないぎりぎりを狙うのが良いと思います。

 

 

・袖丈

トレンドによって長さが変わります。

 

適正サイズはジャケットの腕を下した時に手首の骨から1cm程度の長さです。

そこからシャツが0.5cm~1.5cm程度見えるのが理想になります。

 

 

他にも腕を下して、手のひらを下にして手首を水平に近づけた際手の甲に触れる長さとも言われています。

分かりやすくいうとアイアンマンが飛行する時の手の形です。

 

 

・着丈

着丈と言うのはトレンドに最も影響されやすい箇所です。

トレンドに合わせすぎると今は問題なく感じる長さでも数年後、時代遅れに感じてしまいます。

そのため、ここに関しては変えすぎない方がいいと思います。

 

「総丈÷2」がもっとも美しいとされ、個人差がある足の長さや横幅(肩幅)等によっては-1.27cm(約1/2インチ)までをこのクラシックサイズとおおよそ呼ぶことが多いようです。

※総丈=身長-24(±1cm)

 

例えば身長が175cmならば24を引いて151、それを半分にするので75.5cmとなります。

 

現在のトレンドはこの計算式から2、3cm程短いため、このバランスの長さを着てもらったときは長いと大体言われます。

しかし裾回り、お尻回りだけを見ると短く感じますが、全体のバランスで見た時はそうでもないと感じる人が多いです。

 

あくまでも部分的にみるのではなく、全体で見て下さい。

ちなみに着丈を短くしすぎるとと胴長短足に見えます。

 

その他のサイズとして、肩幅を基準にして1.618(黄金比)に設定するという考えもあるようです。

 

 

 

トラウザーズ(パンツ)

・ウエスト

横の部分に指が2~3本入る程度がジャストサイズです。

腰骨にウエストが乗っていれば多少緩くても落ちる事は無いです。

※緩すぎるとベルトを締めると皺がよったり、シャツが出やすくなる可能性があります。

 

前のお腹部分に手のひらが入るサイズともいわれますが、お腹は柔らかいのでへこみやすくサイズの目安として曖昧になりやすいです。

 

おなかが出ているふくよかな方は履き位置がどうしても下がります。

その場合は、股上とウエストを大きくしてブレイシーズで吊る事をご検討下さい。

 

参考

トラウザーズの話 股上編【名古屋セントラルパーク店】

 

 

・ヒップ

ここはかなりトレンドに左右されます。

 

街を見ているとパツパツでお尻の形が浮き上がるほどのサイズの人が多いですがそのサイズ感は大変みっともなくとても見ていられないです。

ヒップも基本的にバストと同じようにサイズを小さくしてもシルエットは変わりません。

破けやすくなり恥をかくだけなのでやめましょう。

 

ヒップ周りの正しいサイズは指で軽くつまめる程度が標準です。

また、タック量や数によっても変わってくるので一概には言えませんが脇のポケットが開いていないことも一つの指標です。

脇のポケットが開くのは他が原因の場合もありますのでご注意ください。

 

プリーツがある場合は、プリーツが開いていないことも前提になります。

 

 

 

 

 

・股上

ブレイシーズ(サスペンダー)を使用しない場合は基本的に腰骨の上のジャストの位置で履きましょう。

この時、お尻が食い込んでいれば股上が足りないです。

 

また、適正よりも股上を深くしたとしてもじわじわと腰骨に位置にずり落ちていきます。

 

浅く履くのはもちろんNGです。

ヒップが破けやすくなってシャツも出やすくなり、胴長短足に見えます。

 

 

・股下

ここもトレンドが影響しやすい部分です。

 

適正サイズはくるぶしの3~4cm下です。

靴を目安にした場合、履き口の側面の一番くぼんでいる部分から1cm、かかと側の履き口から2cmほど下です。

 

見た目でいうと、横から見た際に靴の履き口が完全に隠れていて靴下が見えないサイズです。

 

 

ハーフクッション、ワンクッションなど言われますが、裾口の太さによってクッションの出方が変わるのでご注意ください。

 

間違ってもくるぶし上などのサイズ感にするのはいけません。

着丈と同じくみっともない仕上がりとなります。

 

 

・渡り幅(太もも)

私たちが目指すべきシルエットが各所にありますが、この渡りほど明確な場所はありません。

ヒップから繋がるように自然に落ちていくのが理想です。

 

 

これを話すと太いといわれますが、これはオーダーでしか出せないシルエットです。

既製品でこのラインを出せるものもいくつか心当たりがありますが、スラックス単品だけで7万ほどします。

それを買う人はよっぽどいないと思うので、見かけたらオーダー品と見てほぼ間違いないと思います。

 

また、太ももの後ろ側に写真のような斜めの皺が入る場合があります。

 

 

これはサイズではなく、平尻や前腰(送り腰)と呼ばれる体型・姿勢によるものです。

太ももが後ろ側の生地に当たってしまって出来る皺です。

お尻が平らな平尻や前腰(腰がかかとの真上よりも前に出ている状態)の方に見られる皺です。

これに関しては型紙段階での調整になるので、どうすることも出来ません。

 

 

 

ウエストコート(ベスト)

・バスト

ジャケット同様、前ならえの姿勢になった際ベストと身体の間に左右それぞれ指一本分入るサイズです。

 

 

・ウエスト

座った状態でウエストを引っ張り、ベストと身体の間に2cmほどの空間ができる程度が適正です。

ただし、身体を鍛えている人や瘦せ型の人はバストからウエスト、ウエストからヒップが極端にくびれている場合があります。

その場合は変なしわが入ったり、裾が跳ねてしまうので上記のゆとりよりも多めにとることが重要です。

 

体型変化が激しかったり、食後に腹部が張る方はやや緩めにしてバックストラップで調整するのもありです。

 

 

 

・着丈

ベストは前丈と後ろ丈の長さが大きく違います。

 

後ろ丈はベルトが通る帯とピスポケット(尻ポケット)のちょうど中間あたりの長さです。

前丈は帯や持ち出し、ベルトをしている場合はバックルが完全に隠れる長さです。

 

よくいるのが姿勢を良くしようとして反り腰になる人がいます。

あれはベストの丈を長くしなければならず腰を痛めるので絶対にやめましょう。

 

 

ご紹介したこれらがクラシックサイズと呼ばれています。

トレンドに左右されない普遍のバランスです。

 

せっかくのオーダー品です。

長く着たいのなら、このクラシックサイズはいかがでしょうか。

 

 

札幌パルコ店 鈴木(晴)

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