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スーツの歴史【札幌パルコ店】
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2026.03.12 GINZAグローバルスタイル・コンフォート 札幌パルコ店
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こんにちは。

 

 

鈴木(晴)です。

 

 

 

今回はスーツがどのようにして今の形へと変貌したのか、その歴史を解説していきます。

 

 

スーツとは

 

それは1666年10月7日にチャールズ2世が発した衣服改革宣言から始まりました。

それまで貴族衣装は派手な意匠や装飾をあしらって体のラインが出るほど細く絞ったダブレット呼ばれる上着にブリーチズと呼ばれる半ズボンを履いて足の形を誇張する華美な服装でした。

 

 

(引用:ジェームズ1世/リチャード・サックヴィル)

 

それらを「コート(上着)+ウエストコート(中着)+シャツ(下着)+タイ」という形に統一せよという宣言です。

現代と異なる点として挙げるのであれば、コート・ウエストコート・トラウザーズすべてが別の生地で仕立てられていたことです。

 

1830年頃にドイツのヴィルトガンズという仕立て屋がすべて同じ生地で仕立てたのが現代のスーツの始まりという記述がありました。

ただ、同じ生地から裁断するというのは貴族階級からすると貧乏くさいと相手にされなかったともいわれています。

 

それも贅沢な理由もあったとは思いますが、乗馬や道路環境も劣悪だったことからトラウザーズは丈夫な生地を使い、コートは柔らかい生地を使うという実用的な側面もありました。

 

当時はまだ派手な色柄や装飾もありましたが1800年代初頭に黒のテイルコート(燕尾服)が夜会服の礼装として定着し、それ以降男性の衣装は落ち着いたシンプルなものへと変わっていきます。

 

 

(引用:https://www.instagram.com/decroize/

 

 

その当時は今のモーニングコートのようにヒザまで長い後ろ丈でしたが、1860年に転換期が訪れます。

 

夕食時は燕尾服を着用しており、上品ではあったものの堅苦しい場だったそうで食後にラウンジ(スモーキングルーム)で煙草を楽しみながら会話や酒を楽しんだといわれています。

しかし、夕食時に来ていた丈の長い燕尾服では十分に寛げないことからサヴィル・ロウ最古の仕立て屋であるヘンリープールにエドワード7世が来店。

テイルコートと同じ布から短い着丈でラウンジで寛ぐための衣装としてスモーキングジャケットを仕立てました。

ここからスモーキングジャケットを夕食時にも併用するようになりディナージャケット(タキシード)と呼ばれるようになっていきます。

 

 

(引用:https://henrypoole.com/heritage-savile-row/the-dinner-suit/

 

同じ頃、貴族の娯楽としてハンティング(狩猟)が盛んでしたが当時の貴族服では長い後ろ丈が邪魔になりハンティング時はスモーキングジャケットと同じくらいの丈のジャケット(ハンティングジャケット)を着用するようになります。

 

こうして丈の短いコート(ジャケット)が徐々に上流階級に受け入れられてきた頃、エドワード7世がラウンジ以外でも同じ生地で仕立てたジャケット・ウエストコート・トラウザーズを着るようになり「ラウンジ・スーツ」と呼ばれるようになっていきます。

 

ちなみにスーツ(Suits)語源はラテン語で「従う」「追従する」を意味する sequor です。

この言葉から「一続きのもの」「一揃い」を意味する古フランス語の suite を経て、同じ生地で作られた上下一揃いの衣服を指す言葉として定着しました。

 

それからこのサヴィル・ロウで様々なテーラーが試行錯誤し現代のスーツの形に近づいていきました。

形が確定したのが1930年代と言われており、歴史上最も美しく洗練されたシルエットという人もいます。

 

 

1920年代までのスーツは肩パッドはほとんど入っておらず、胸ダーツもないアメリカントラディショナルのような風貌でした。

 

下記の写真は1923年に開催されたグラモーガン・カウンティ・クリケット・クラブの集合写真です。

後列左から2番目の男性を見ると、肩・腕の丸さが出ていてクリケットボールか何かをポケットに入れていて分かりにくいですが太いストライプのずれがないことから、ダーツが入っていないのが分かるかと思います。

 

(引用:https://glamorgancricketarchives.com/1923-2/

 

 

1930年代に入り、現在の胸ダーツが入ってしっかりとウエストのくびれが出るように絞ってあります。

下記画像は1935年発行とされるスーツの広告です。

現代にこのスーツを持ってきても全く違和感がないと思います。

 

しいて言えばトラウザーズの太さと一番下の釦を留めていることくらいでしょうか。

いわゆるアンボタンマナーは1900年代にエドワード7世から始まったといわれていますが、広く浸透したのは1920年~30年代という記述もありました。

当時の資料を見るとその説が正しいように見えます。

 

(引用:https://vintagedancer.com/1930s/1930s-mens-suits-history/

 

1940年代には二度目の世界大戦の影響もあり、より男性らしいシルエットがトレンドとなりました。

肩パッドの厚みが増して現代でも英国スタイルの代名詞となっているビルドアップショルダーが広がっていきました。

1940年公開の『ヒズ・ガール・フライデー(His girl Friday)』のケーリー・グラントです。

(引用:https://bamfstyle.com/2024/01/18/his-girl-friday-grant/

 

若干ですが、肩先が盛り上がっているのがわかるかと思います。

 

また、ラペルがやや膨らんで弧を描いている「ベリードラペル」も見えます。

これは1970年代によく取り入れられたデザインですが、この頃にはすでに存在していたようです。

現代のサヴィル・ロウでもこのベリードラペルはよく用いられているので、今に残る様々なデザインが生まれたスーツの原点が1930~1940年代と言えます。

 

こういった歴史は普段なかなか意識することはありませんが、バックボーンを知らないうちに選択するのと知ったうえであえて選ぶのでは着こなしの心構えや立ち振る舞いが変わってきます。

 

今はAIという便利なものがあるので、気になった画像がいつのものなのか調べてみて、当時流行ったデザインなどを意識して仕立ててみるのも良いかと思います。

 

 

札幌パルコ店 鈴木(晴)

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