こんにちは。
鈴木(晴)です。
今回はシャツの仕様についてです。
皆様はスーツに関しては既製品と同じにしたくないとよく言いますが、シャツにおいては既製品と同じにしたいという方が多いです。
高級な証
英国では無駄なものは省き、機能・見た目として必要なものを残すという考えが主流です。
シャツもその例に漏れず様々なデザインが考案され、取捨選択され今日にいたります。
それが顕著に表れているのが下記の内容です。
①胸ポケット
シャツは本来下着として着用されていたので、胸ポケットが付いていません。
これは元々アメリカに紳士服が渡った際に利便性を求めて付けられたといわれています。
しかし、人前でシャツ一枚になることがなかった英国やイタリアでは胸ポケットは定着しませんでした。
また、ポケットに何かを入れるとその厚さがジャケットと干渉して胸周りの不快感や重みでシャツがたわんでしまうというデメリットがあります。

②ボタンダウンの襟
ボタンダウンはゴルフなどで風が吹いた際に襟がなびかないように留めるために考案されたといわれています。
現在ではクールビズやノーネクタイ時に着用されることが多いようですが、この襟型でネクタイを結ぶ人もいます。
スポーツで使用されていたという背景もあり、カジュアルなものとして英国では扱われています。
そのためボタンダウンを着たとしても私服等で、フォーマルシーンで着用されることはありません。
スーツとは社会に溶け込むための衣装です。階級社会が根強いこともあり、その場にそぐわない装いをする者ははじかれます。

③コンバーチブルカフス
3つ目はカフスの仕様です。
まずコンバーチブルカフスとは袖を釦留め、カフリンクスを兼用できるデザインのことです。
通常カフスは釦ホールと釦が端にそれぞれ一つだけ付いています。

コンバーチブルは釦は同じですが釦ホールが両端に付け、兼用できるよう機能を持たせたものです。

この仕様はフォーマルの世界では敬遠されています。
理由としては兼用で使いまわしている=装いに気を使うほど経済的余裕がない or 装いに関して無頓着であると見えるからです。
それから、留めたカフリンクスと釦が干渉し、傷付いてしまうという現実的な問題もあります。
④アジャスター釦
③と同じくカフスの仕様です。
これは既製品に多いのですが釦が二つ並んでついている仕様のことです。
以前にも解説しましたが、シャツは袖丈がどれだけ長くてもカフス周りが細ければ適性の位置に袖がとどまります。
その特性を利用して、万人に合うように二段階調節が可能な仕様として既製品で売り出しました。

既製品と同じにしたいとこのアジャスターを希望する人がいますが、オーダーでこのアジャスター釦にすると「このシャツはサイズが合っていない」とアピールしているのと同じことです。
詳しい人が見れば、オーダーしたのになぜと疑問に思うことでしょう。
せっかく体に合わせてオーダーしたのにその見た目や仕上がりの格を落としてしまうデザインです。
逆に言えば、たったこれだけのことで高級感のあるシャツに仕上がります。
しかも、特にオプション料金はかかりません。
新社会人や転職でスーツが必要になった際はぜひこれらを思い出して着こなしの格を引き上げてみましょう。
札幌パルコ 鈴木(晴)