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【映画の中のタキシード】ショールカラーかピークドラペルか【銀座5丁目店】
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2025.12.16 GINZAグローバルスタイル 銀座5丁目店
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タキシードをオーダーされるお客様から

 

「ショールとピークどっちがいいかな?」

 

ほぼ確実に聞かれます。

 

 

一般的にイギリス等ヨーロッパでは格式高いピークドラペルが人気、

アメリカでは華やかなショールカラーが人気

という言説がありますが、

 

 

 

 

 

 

ほんとか?

 

 

 

 

 

 

ということで、本記事では映画ではどんなタキシードが着用されているのか、

1.タイタニック 2.グレートギャツビー 3.007

この3つで調べてみることにしました。

 

(1と2はディカプリオが出演しています。タキシード姿を見るのが非常に楽しみです)

 

 

引用元:https://www.gqjapan.jp/tag/leonardo-dicaprio?page=3

 

 

1.タイタニック

結論

 

 

 

 

 

上流階級はタキシードを着ていない!!

 

 

 

 

 

皆さん一度はご覧になったであろう超名作映画。

上流階級のディナーなどで皆タキシードを着ているイメージがありましたが、

よくよく映像を見ると上流階級が着用していたのは燕尾服でした。

 

映画の舞台は1912年。

 

この年代の夜のフォーマルは基本燕尾服(ホワイトタイ)でした。

タキシードはあるにはありますが、上流階級に普及するのは1920年代以降のようで、

この映画にタキシードは…

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと上流階級のシーンで一人だけ着用していました。

アメリカの実業家ベンジャミン・グッゲンハイム氏の秘書ヴィクター・ギグリオ氏です。

 

 

※沈没時に避難しようと慌てふためく乗客を横目に、

正礼装である燕尾服で覚悟を決めて船と共に沈没するあの紳士がグッゲンハイム氏です。

 

引用元:https://screenrant.com/titanic-first-class-benjamin-guggenheim-redemption-ignore/

 

後ろに続くのがギグリオ氏。

確認した映像では大分わかりづらいのですが、ピークドラベルのタキシードを着用していました。

イギリスにおけるピークドラペルのタキシードは燕尾服(これもピークドラペル)の簡易版

という位置付けだったようですから、上流階級の周りが燕尾服の中において、

付き人のギグリオ氏がピークドラペルのタキシードというのはうなづけますね。

 

 

 

それから、タイタニック号の音楽家たちもタキシードを着用していました。

観る人が最もグッとくるであろうあのシーンを彩る音楽家たちです。

 

 

引用元:https://unn.ua/en/news/the-violin-from-the-movie-titanic-will-be-auctioned-for-dollar77000

 

調べたところ彼らは英リヴァプールの音楽家派遣会社がタイタニック号に送り出したようで、

6人がイギリス人、残り二人もベルギーとフランスで、全員ヨーロッパ出身でした。

彼らは予想に反して全員ショールカラーのタキシードを着用していました。

 

 

ヨーロッパなのにショールカラー?と思いましたが、

ショールカラーはサービス業や芸能関係者など、

華やかな雰囲気を醸し出す衣装として着用されていた場合も多いとのことでした。

となると、華やかな音楽を奏でる演者がショールカラーを着ていたのにも納得です。

 

 

 

2.グレートギャツビー

タイタニックでディカプリオのタキシードを拝めなかったので、

何としても見たい!と思い、次にグレートギャツビーを見ていきます。

 

 

舞台は1920年代のニューヨーク。

ニューヨークで夜な夜なパーティーを開く謎の人物ギャツビーをディカプリオが演じています。

アメリカ人だし、ニューヨークだし、華やかなパーティーだし、

これはもう絶対にショールカラーを着用かと思います。

 

 

 

ギャツビーはピークドラペルのタキシードを着てました!!

 

 

 

引用元:https://www.gqjapan.jp/tag/leonardo-dicaprio?page=3

 

↑はピークドラペルでした。カッコイイ‼

 

でも、彼の境遇を考えると、アメリカ人であってもピークドラペルカラー着用も納得です。

 

ギャツビーは上流階級の女性を手に入れるために、

労働者階級でありながら全力で上流階級に上り詰めようとするキャラクターなのですから。

 

だから、英オックスフォード大学出身と偽るし、

タキシードはそりゃ格式高いピークドラペルを着るんです。

 

その割に上流階級が着用しないピンクのスーツなんかを着ちゃって

本物の上流階級から出自を見透かされるお茶目な一面もあります。

 

 

というわけで、映画グレートギャツビーでは上流階級になりたいギャツビーは

格式高いピークドラペルを着用していました。

 

 

※本物の上流階級であるトム・ブキャナンというアメリカ人キャラクターも

ピークドラペルのタキシードでした。

 

 

 

3.007

人気シリーズである007

主人公であるジェームズ・ボンドは生粋のイギリス人。

となれば、ピークドラペル着用か?、、、とはもう誰も思いませんね。

彼が着るのはショールカラーのタキシード。

 

 

引用元:https://thegents.tokyo/007-specter-tuxedo-james-bond/

 

彼のキャラクターは伝統に縛られないモダンな紳士です。

 

だから英国人でありながら、ショールカラーのタキシードを着用しますし、

時計も礼装に適したドレスウォッチではなくて、潜水用のダイバーズウォッチを付けちゃうんです。

いわゆる”はずし”というやつでしょうか。形式にとらわれないボンドらしさがでてますね。

 

 

 

 

ここまで、様々な映画のタキシードを見てきましたが、

イギリス=ピークドラベル

アメリカ=ショールカラー

と一概には言えないことが分かります。

 

 

タキシードを着るシチュエーションが

厳かな場、格式高い場だとピークドラベルで。

華やかな場、カジュアルよりな場であればショールカラーで、

という大まかな使い分けでいいのではないかと思います。

 

色でいうと、

全体を黒でまとめる場合はピークドラペル。

色味を使う場合はショールカラーが妥当なのかなと、個人的には思っています。

※正解はありませんので、ここは勿論お客様の好みが優先です。

 

あとは、タイタニックや映画ジャージーボーイズでもそうだったように、

音楽関連の衣装として使う場合はショールかなとも思います。

 

引用元:https://www.rottentomatoes.com/m/jersey_boys

 

タキシードを今後仕立てる方に今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。

 

 

GINZAグローバルスタイル銀座5丁目店 小松

 

 

 

 

 

 

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