こんにちは。
鈴木(晴)です。
先日なかなか珍しい生地が入荷しました。
それが『Dormeuil Royal12』です。
私は弊社で扱うどのドーメルの生地よりもこれが好きです。
英国の高級テーラーに愛されたこの生地について解説します。

Dormeuil Royal 12とは
1842年に創業したブランドで、パリに本社を置くフランスの服地マーチャント(商社)でありながら、英国高級生地を主力としています。
様々な高級ブランドやハリウッドなどに高品質の生地を世界中の仕立て屋に提供していました。
そんなドーメルの伝統的な定番シリーズが『Royal 12』です。
サヴィル・ロウでは所謂”仕立て映え”するスーツを作るため、硬くハリコシがあり、優雅なドレープ感を出すことができる生地が好まれていました。
そこでよく使用されていたのが、2/52×2/52で織られた生地です。
2/52の意味は、52番手の糸を2本使用して一本の糸に撚った糸のことで、それを縦横で使用しています。
このロイヤル12もそのサヴィル・ロウ番手が使用されていて英国生地特有のしっかりとした打ち込みによって織られたクラシカルな仕上がりです。
昨今は温暖化や芯地の軽量化などカジュアル化の影響で生地は縦2本、横1本のように使用される糸の量が少なくなり、且つ糸自体も細くなり生地のしなやかさが増えました。
しかし、この織り方でなければ出せない雰囲気や重厚感があります。
名前の由来である12オンス(370g)の目付は、出来上がったスーツのカッティングや外観を際立たせる素晴らしいドレープ感を作り出してくれます。
スーツ本来の魅力を最大限活かせるクラシカルな生地をぜひどうぞ。
札幌パルコ 鈴木(晴)



