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【オーラを纏う】毛羽残りクリアカット生地【銀座5丁目店】
2025.09.04 GINZAグローバルスタイル 銀座5丁目店
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フランネルではない、

 

ツイードではない、

 

つるっとしたスーツの生地はクリアカットと呼ばれます。

 

表面の毛羽を焼き上げたり、カットしたり、

 

ローラーで圧をかけたりして艶やかな質感を生み出します。

 

 

しかし、毎日店頭で生地を触っていると、

 

いわゆるクリアカットの中でも、

やや毛羽が残っている生地があることに気づきます。

 

そして今回はそういった生地がめちゃくちゃ良い!!という話です。

 

何が良いのか

1.独特の品のある見た目

まずは毛羽感がない、艶感のあるクリアカット生地です↓

普通にきれいで格好良い。

 

そして↓が毛羽残りクリアカット生地です。

 

 

フランネルまでは全然行きませんが、やや毛羽が残っているのが分かるでしょうか。

毛羽感があると、いい意味で一枚靄がかかっているようになり、艶がぼかされます。

 

並べてみると、こうです。

 

 

 

艶という局所的な注目ではなく、全体をとらえやすくなり、

 

スーツ自体の立体感が立ち現れる。

 

そのような、視点を変える効果があると思っています。

 

そして、その毛羽感がなんとなく、オーラを纏っているようにも見えます。

 

 

2.奥行き感

 

実際に毛羽がほんの少しあるおかげで、

 

毛羽と生地の表面に少しだけ距離が生まれて、

 

それが奥行き感につながります。

 

1mmにも満たない距離ですが、馬鹿にはできません。

 

 

実際に人間の皮膚だって、

 

一番上の表皮、薄皮は誰だって同じ色ですが、

 

そこから、その奥の組織の色、血管の色など、

 

実は表面を見ているようでその奥まで見ているんです。

 

「透き通るような肌」みたいな形容がうまれるのも納得です。

 

 

化粧するにしても、

 

1種類のファンデーションをベタっと塗り広げるではのっぺりしちゃいます。

 

しかし、ベースメイクから、表層まで、複数の化粧品を何層も塗り重ねることで

 

地肌は見えなくなりますが、逆に透明感を生み出しています。

 

 

毛羽クリアカットにも手前の毛羽→奥の生地という複数層構造で、奥行き感を明確に感じます。

 

注意深く実物を見るとわかっていただきやすいと思います。

 

 

3.触り心地

 

毛羽があるおかげで、生地に触れる前にまず毛羽に触れるため、

 

独特の触り心地となります。

 

そして面白いのが、

原毛の太さによって全然触り心地が違います。

 

原毛-(紡ぐ・撚る)→糸-(織る)→生地

原毛から生地までは大まかに上記の工程を経ます。

 

普通のクリアカットは表面の毛羽(原毛)をカットしているので、

生地を触ると原毛の感じではなくて、糸を触れているようなイメージです。

(糸の太い細いや、撚りの強さで糸自体に独特の触り心地が生まれます)

 

しかし、毛羽があると、原毛にそのまま触れられるので、

原毛の感じが触り心地の違いとなって非常に表れやすいんです。

 

オススメ生地

・ゼニア エレクタ

 

 

個人的に一番バランスが良いと思う生地です。

 

フランネルなどを見ればわかるように、毛羽があると艶が損なわれていく傾向にありますが、

エレクタの場合はゼニアだけあって、原毛の質が非常に良いのだと思います。

毛羽というベールを一層まとっていながら、艶が非常にきれいです。

艶が主張しないけど、艶がある。独特の風合いです。

 

触り心地は織りや毛羽などいろんな要素の複合ですが、弾力があり、

ビロードのような滑らかな毛羽の肌触りがあります。

 

・カノニコ ラスティックプリュンネル(21マイクロン)

カノニコの新定番

21μ(Super50’s相当)の原毛を利用したこの生地もリーズナブルな毛羽残りクリアカット生地です。

非常に太い原毛を利用しており、頑丈でしわになりづらく、かつ艶感も十分にあります。

 

 

太い原毛のため、残った毛羽の主張も強く、まさにラスティック(素朴・自然な状態を残す)という感じ。

遠目から見て非常に艶やかな一方、ウールの荒々しさも体現した絶妙な風合いです。

触り心地も心なしかざらっと感、ぴりっと感があります。

 

独特な雰囲気があり、これからの秋冬時期にぴったりです。

 

・ロロピアーナ ほぼ全て

ロロピアーナ過去展開していた【4seasons】や

現行で展開している【オーストラリス】,【365】等、

全てやや毛羽が残っているコレクションだと感じます。

それが独特のロロピアーナの気品を生み出しているのだと思います。

 

 

 

生地製造の本職ではないので詳しいことは分かりませんが、

高温高圧のローラーで生地をギューッと押し固めるような加工すると簡単に艶感が生まれるような気がするのですが、

ロロピアーナはしっとりで柔らか、ふんわり、更に毛羽も残り、でも艶感が綺麗という

相反する要素を実現している稀有な生地だと思います。

使っている原毛もSuper130’s~150’sと非常に繊細で、

毛羽も含めて滑らかな肌触りです。

 

他の2着よりも艶感に優れる分、デリケートな生地となるため、

ここぞという時用にお仕立て頂くのがおすすめです。

 

———

 

 

ここまで毛羽残りクリアカット生地のご案内をさせていただきました。

もちろん、一般的なクリアカット生地も非常によいものですが、

複数のスーツをお持ちで、派手さは無くてよいけれども新しい方向性に

挑戦してみたいという方や、1着目でも本当に良いものを作りたいという

お考えの方に非常におすすめの生地となります。

 

ディスプレイを通した小さい情報よりも、

実店舗で、実際に観て、触って、という方が情報量が間違いなく10倍以上ありますので、

ぜひ店頭でご覧になってください。

 

 

グローバルスタイル銀座5丁目店 小松

 

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