3カ月ほど家庭の事情でお休みをいただいており、その間、スーツは一切着用しませんでした。
それまでは少なくとも週5でスーツ着用。
3ヶ月間スーツなしで過ごして、復職してスーツを着ていざ出勤。。。。
スーツきっつ!!!!!!!!!
靴を履くのに、PTがパツっとしてしゃがみずらいし、
しゃがんだまま靴紐を結ぶのも背中がきついし、
なかなかセンセーショナルな体験でした。
今までスーツを着たことのない人に接客するときも、
たまに「きっつ!!」という反応をもらうことがありますが、
それを私も・体験した形ですね。
やっぱり仕立てが良く、動きやすいスーツだったとしても、
それはスーツの中で比べての話で、Tシャツとかジャージに比べると
動きやすくはないですからね。。。
復帰して一週間でスーツにも再び慣れてきましたが、
そういった人にもいい着心地だと思ってもらえる楽なスーツは何だろうと考えていきたいと思います。
<生地編>
・ジャージー生地
着ていて動きが楽なのは伸びるストレッチ生地。
伸びに関して言えばジャージー素材が一番です。これはもう間違いありません。
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実は、人の皮膚自体ストレッチ素材なんです。
手を前に出すとき、背中の皮膚は水平方向に20~40%も伸びるそうです。
特に靴紐を結ぶ姿勢は腕の重さで肩甲骨が開いて一番背中がきつく感じやすい。
だから伸びない生地で体を覆うとどこかで無理が出ます。
今たまたま手元にある、グローバルスタイルで扱っている化学繊維のジャージー生地。
22cm巾を引っ張ると30cmほどまで伸びたので、その伸びは36%程。
これだけ伸びれば、この生地で全身タイツを作っても何とかなりそうなので、
たとえゆとり少ないジャケットだったとしても動きやすさは問題なさそうです。
・ストレッチウール生地
化繊のジャージー生地、非常に動きやすいですが、【シワの復元性】という点でウールに劣ります。
たまに、家に帰ってスーツをハンガーにつるさずに脱ぎっぱなしにしちゃうことあるんです。
翌朝気づいて拾い上げると結構なシワになっている…というのが何回もあります。
これがウールだとスチームアイロンで面白いようにシワが取れるので全く問題ありません。
化学繊維だと深いシワが取れづらい場合もあるので、シワケアの楽さという面ではウールが勝ちます。
伸びはジャージー生地に劣りますが、
ジャージーにはないスーツ然とした綺麗な見た目があります。
スーツが必要な職場においてはストレッチのウール生地がおススメです。
ttps://www.global-style.jp/archives/395241
以前私がストレッチスーツを作ったブログを発掘しました。
手を前にぐっと出しても…

さらに手を内側ぐっと巻き込んでも…

全然ついてきてくれます。
ちなみにジャージー生地は↑よりも伸びるので、
本当に動きやすさを求める場合には一番おススメです。
ということで、スーツに久々に袖を通して感じた「きっつ!!」をきっかけに、
改めて“楽に着られるスーツ”について考えてみました。
見た目・動きやすさ・ケアのしやすさ——どれを重視するかは人それぞれですが、
少なくとも「スーツ=我慢」ではなく、「スーツ=快適」な選択肢があることは、もっと多くの人に知ってもらいたいところです。
次回は、仕立てやパターンの工夫でどこまで“楽”を追求できるか、掘り下げてみようと思います。
スーツとの関係性、もっと良くしていきましょう。
立川髙島屋店 小松



