こんにちは。
鈴木(晴)です。
今回は少し前までトレンドだった細身のスーツの弊害についてお話します。
スーツはおおよそ10年単位でトレンドが入れ替わると言われています。
一つ前のトレンドはスキニーのように細いシルエットにくるぶしよりも短いスラックス丈、尻が丸出しになるほど短い着丈と100年前の貴族たちが見たら卒倒するようなデザインでした。
ただこのトレンドは息が長く2010頃から2023年頃となっています。
恐らくコロナでスーツを着る機会が減った為、その分後ろにずれたのではないかと予想しています。
しかし、未だにこのスキニーまでいかなくとも細身で作りたいという方が多くいます。
着心地や見た目が悪くなるので本当に良いかと確認しつつ進めるのですが、明らかに皺だらけのスーツに仕上がります。
皺は身体のどこかに触れれば必ず出てきます。
細くすれば当たる範囲が広くなり皺が出やすくなるのは当然のことです。
せっかく安くない買い物をするのに動きづらく、見栄えも悪いものを買っていいのかと疑問に思いながら採寸しております。
それぞれを細くするとどんな弊害が起こるのでしょうか。
スラックス
まず多いのはスラックスです。
特に裾口や渡り(太もも)が太いという方が非常に多いです。
では要望通り細くするとどうなるでしょう。
日本人はO脚が多く、裾口を細くすると足の外側から内側にかけて斜めに捻った皺が出ます。
また、一度着席してから立ち上がると脹脛にひっかかり降りてこないという現象が発生します。


また、渡り(太もも)も下記の皺を取る為に細くしたいとよく言われますが本質はそこではありません。

この皺は適正サイズより細い場合に出てくる皺です。
つまり細くしたところでこの皺は解消せず、消えたように見えても動きにくくなっているので破けるリスクが高まります。
これらを適正サイズにしてみるとどうなるでしょうか。


斜め皺や渡りの皺がきれいに消えました。
せっかくオーダーするのですから、わざわざ動きにくくするよりも皺のない綺麗なスーツを目指しませんか。
鈴木(晴)



