こんにちは。
鈴木(晴)です。
今回はシャツに起こりがちなバブリングという現象について解説します。
バブリングとは
バブリングとは、シャツやスーツに気泡のような丸い形が浮き上がる現象のことです。
安価なシャツの襟・カフスに起こりやすく、一度発生してしまえば修復はほとんど不可能です。

なぜバブリングが起きるのか。
基本的に発生するのはシャツが殆どです。
それは、生地と接着芯と呼ばれる副資材の剥離によって発生します。
比較的安価なシャツにはトップヒューズ(接着芯)と呼ばれる製法が用いられています。
生地と芯が接着剤によって固定されているものです。
特徴としてしわになりにくく、一見パリッとして見えるのが特徴です。
一方で熱に弱いという特性があります。
そのため、クリーニング等に出すとこのバブリングが起きる割合が高くなります。

(左:トップヒューズ芯、右:フラシ芯)
対策
対策はいくつかあります。
まず一つ目は接着芯が使用されている箇所にプレスをしないこと。
高温のプレスによって剥離が起こるので、そもそもその個所に熱を与えなければ良いという考えです。
ただしこれは洗濯の際に折り目がつかないように丁寧に折りたたんで洗う必要があります。
二つ目は、高価なクリーニングに出すことです。
1着100円程度の安価なクリーニング店では全て機械でプレスをかけるため、芯材の影響が考慮されません。
対して1着700円ほどのクリーニング店では手作業や芯材ごとに機械の設定を変更するのでバブリングが起こりにくくなります。
そして三つ目は接着芯ではなくフラシ芯にすることです。
高級シャツは必ずと言っていいほどこのフラシ芯が使われます。
生地と芯材が接着されておらず、縁のステッチで縫い留める製法です。

(左:トップヒューズ芯、右:フラシ芯)
特徴は襟やカフスが柔らかく仕上り、着心地などが段違いです。
高温プレスも問題ありません。
ただこちらにもデメリットがあり、自宅でプレスをする際に慣れていないとしわになりやすいです。
そのため技術の無いクリーニング屋に持っていくと仕上がりが残念なことになります。
別の視点でおすすめするならば、接着芯(トップヒューズ)では襟やカフスの黄ばみ・黒ズミが定着しやすく、取れにくい傾向にあります。
フラシ芯はそういった皮脂汚れが定着しづらいため、日々の洗濯と数回に一度手洗いを挟めば何年も汚れが無い状態で着用できます。
私は接着芯のシャツも持っていますが、フラシ芯のシャツを一度着用すると前のものには戻れません。
他人に強制するつもりはありませんが、私は今後も接着芯のシャツを着ることはないでしょう。
GINZAグローバルスタイル 名古屋広小路通り店 鈴木(晴)



