こんにちは。
鈴木(晴)です。
今回は、今日本で主流になりつつある肩パッドが入っていない所謂アンコンジャケットの是非を問うブログです。
是非参考にしてください。
アンコンとは
アンコンとは「アンコンストラクテッド(非構築的)」という英単語から来ており、スーツのジャケットを構築する肩パッドや芯地等の副資材が最低限しか使用されていないジャケットのことを言います。
最近では、副資材を一切排したジャケットも出回っています。
その歴史は、世界的な有名ブランド『アルマーニ』から始まりました。
従来のスーツは堅い芯材と厚めの肩パッドで体型のコンプレックスを隠し、より体が美しく見えるように仕立てるのが一般的でした。
洋服として以上に、シルエット補正・体型補正としても意味合いもありました。
アルマーニはそんなジャケットの重点を着心地に見据え、生身の肉体で美しさを表現するという方向へシフトしていきました。
つまり、着る人が心地よく着る事ができ、その人自身が持っている物で輝けるようなジャケットを作っていったと言われています。
さて、そんなアンコンジャケットですがここ10年程で覇権を握るほど流行しています。
副資材が最低限しか入っていないので軽い、着心地が良いと言われていますが本当にそうでしょうか。
部分的に正しいというのが私の考えです。
まず、ジャケットの重みを感じないというのは着心地において重要であると言えます。
確かに元々入っている物を抜いているのです。
物理的に軽くなって当たり前です。
しかし、肩パッドや芯材が無いというのは着心地においてはデメリットになる場合があります。
それは前肩と呼ばれる体型の場合で、巻き肩とも呼ばれます。
日本人のおよそ7割程度がこの巻き肩だと言われています。
まず肩パッドがあるとジャケットと肩先が殆ど接触せず空間が生まれます。
この空間がゆとりとして動きやすさを支えてくれます。
巻き肩は肩が前に出ているのでジャケット部分と干渉したり、フロントの芯材も腹部とジャケットが接触するなどでストレスを感じ、腕を上げたり着席する動作時に動きを阻害し着心地に影響します。
そうならないように柔らかいスーツ生地を使用すると今度は生地のハリという支えが無くなるので仕立映えせず、より皺が多く入った醜いスーツとなってしまいます。
そして着心地とは別に、肩パッドや芯材は見た目にも大きく影響してきます。
下記画像の左は肩パッドなし、右は肩パッドありです。
日本人は私を含めなで肩が多く、そこに肩パッドの無いジャケットを着てしまうと肩と首の境界があいまいになり首が長く、頭が大きく見えてしまいます。
パッドを入れてあれば、バランスがおかしく見えることもありません。
また、フロント部分に芯材が入ったことで皺が軽減されたのもわかるかと思います。
このように薄くともパッドや芯材は入れてある方が見た目が良くなります。
肩パッドが入っていたら重くなるというのは完全な間違いです。
適度な厚さであれば見た目も着心地もメリットしかありません。
スーツは身体的コンプレックスを覆い隠し美しく見せるための構造です。
アンコンは元々の肉体に左右される分人を選ぶでしょう。
とはいえ、カジュアル用のジャケット生地であれば仕立映えを気にしなくても良いという人は多いでしょう。
なのでアンコンがダメというよりは仕事やセレモニー等はパッドを入れ、プライベート等のカジュアル用にはアンコン仕立てという風に棲み分けするのが私は良いと考えています。
格好良くスーツを着用したいという方はご検討ください。
鈴木(晴)