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英国スタイルを引き継いだモダンスタイル【名古屋広小路店】
2025.04.29 GINZAグローバルスタイル PREMIUM 名古屋広小路通り店
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こんにちは。

 

 

鈴木(晴)です。

 

 

 

映画の衣装解説、今回はダニエル・クレイグ演じる6代目ジェームズ・ボンドです。

 

2021年、ノー・タイム・トゥ・ダイで引退を表明しましたが、現代においてジェームズ・ボンドと聞けば先代の5人よりも彼をイメージする人が多いのではないでしょうか。

ジェームズ・ボンドのようなスーツを作りたいという方が良く来店するのでその人気ぶりに驚きます。

 

そんなジェームズ・ボンドのスーツの特徴やディティール、生地などについて解説していきます。

 

 

 

 

007 ジェームズ・ボンドとは

 

まずはジェームズ・ボンドとはどんな人物なのかを解説します。

※ダニエル・クレイグ版の設定

 

1968年4月13日にベルリンで生まれ、両親が登山事故で他界。その後スコットランド郊外にあるスカイフォールを実家として育てられました。

ドイツ語、スペイン語、イタリア語など多言語に長けています。

 

英国の秘密情報部に存在する課のひとつ『MI6』に所属しており、任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる殺人許可証『00(ダブル・オー)』が与えられた7番目のエージェント『007』として活躍しています。

 

着こなしについても一定のこだわりがあり、「ウィンザーノットにしている奴は信用できない」という考えのもと、ほとんどがプレーンノットで結んでいます。

 

 

 

装い

 

基本的にダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドはシングルのジャケットを着用しています。

これは、2000年代が細身の所謂スリムフィットが流行したことが起因していると思われます。

 

作中では、少ないものの3ピースで着用している場面もあります。

 

衣装提供はスーツは第一作『カジノロワイヤル』はブリオーニ、以降はトムフォードが衣装を提供しています。

シャツは第一作がターンブル&アッサー、それ以降はスーツと同じくトムフォードが手掛けています。

 

 

ダニエル・クレイグの装いの特徴はとにかく細身であることです。

動き回りアクションをこなす衣装でそれは大丈夫かと不安になりますが、撮影においては様々な仕掛けがあるのでしょう。

 

とはいえ下の画像を見れば程よく細身であるのがうかがえるかと思います。

 

 

 

ジャケット

 

まず目を引くのはしっかりとビルドアップされた肩です。

英国スーツの特徴で、ロープが入っているように見えることからロープド・ショルダーと呼ばれることもあります。

そのサイズは決して小さくありません。

肩先から腕にかけてなだらかなカーブになっていて、従来の英国スタイルに比べるとやや小さめであることは確かですが、動きを阻害するほどではありません。

 

着丈はやや短めにしています。

通常、着丈は総丈を2で割って1.5cm~3cmほど短いのが標準です。

このバランスに近づけるなら、4~5cmは短くしなければいけないと思います。

腰位置が高ければスタイルが良く見えますが、標準体型がこれをやってしまうと胴長に見えるので注意が必要です。

 

胸に関してもそうです。

襟がしっかりと胸元に沿うように流れていて窮屈さを感じさせません。

 

ウエスト部分を細く絞っているため、細身のスーツであるという印象を全体的に与えています。

やや皺が入る程度なので、数値で言えばゆとり量が8~10cmほどでしょうか。

通常、ウエストを絞ると裾周りが骨盤に当たって跳ねる場合が多いのですがさすがはトムフォードです。

 

着丈が短めであることを考慮しても綺麗に収まっています。

 

また、袖幅もやや細めにしています。

 

 

トラウザーズ

 

細身のトパンツと言えばローライズ(浅い股上)ですが、ダニエル・クレイグはそこまで股上を浅くしていません。

これは、浅くすればするほど履き位置も下がる為胴長に見えることを危惧しているのと、シャツが出やすくなるからだと思います。

 

渡り(太もも)はしっかりとゆとりを確保しており、ヒザ下を細くテーパードをかけることで動きやすさとスタイリッシュな印象を両立させています。

 

勘違いされがちなのが、近年流行りのテーパードは渡り(太もも)、ヒザ、裾全てを細くするものだと思っているようです。

しかし、実際は太ももを大きくとって大きくシルエットを強調するのがテーパードシルエットです。

 

トムフォードはそれに倣っています。

また、丈もしっかりと靴にかかるほどの長さを確保しておりスーツとしてのエチケットにもを配っています。

 

 

シャツ

 

シャツの襟型はこのダニエル・クレイグ版はこれまでと大きく異なったデザインになっています。

 

以前は英国らしくワイドな襟型が多かったのですがダニエル・クレイグから一転、レギュラーカラーやタブカラー等細いネクタイとの相性を考えて狭い襟型が多く採用されています。

ただし、前立てに関しては英国スタイルを踏襲しているのか表前立てです。

 

カフスデザインはこれまでと同じくターンナップ、ダブルカフスをしていることが多く、ドレッシーな印象を与えます。

 

 

 

 

生地

 

基本的にトムフォードは生地は世界最高峰と言われるゼニアの物を使用していましたが、第三作目『スカイフォール』ではドラゴの生地が使用されていることがわかっています。

 

さて、色柄についてはグレー系の色を中心にコディネートが組まれています。

稀にネイビーも取り入れており柄は無地・グレンチェックなどクラシックなものが多く、そういったところは英国のルーツを感じます。

 

また、前述のとおりスーツのサイズがかなり個性的であることから色柄で受ける印象を薄くしたいという意図があるのではないかと個人的には思います。

 

このように現代でも通用するようなスタイルなので、是非参考にしてください!

 

 

鈴木(晴)

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