こんにちは。本日は「格上げ」に関わるボタンと裏地のお話です。
オーダースーツの醍醐味は、生地選びだけではありません。実は、完成後の印象や満足度を大きく左右するのは、ボタンと裏地といった「細部」の選択です。
既製品にはないこだわりを詰め込んだ一着は、着用するたびに背筋を伸ばしてくれる特別な相棒となります。今回は、スタイリストの視点から、ボタンと裏地で「格」を上げるためのセオリーを解説します。
■ボタンは「スーツのジュエリー」である

ボタンは、スーツ全体の視覚的なアクセントです。
○ 素材による印象の変化
プラスチックボタンも悪くはありませんが、天然素材の「水牛ボタン」や「ナットボタン」に換えるだけで、スーツの高級感は劇的に向上します。特に水牛ボタンは、一つひとつ表情が異なるため、世界に一着だけのスーツという感覚を強めてくれます。

○ カラー選びのセオリー
ビジネスシーンでは、生地と同系色の落ち着いた色を選ぶのが鉄則です。しかし、少し個性を出したい場合は、生地色に馴染む深みのあるブラウンや、あえてマットな質感を選ぶことで、落ち着いた大人の色気を演出できます。

■ 裏地は「自分だけの秘密のこだわり」
裏地は自分以外の人からは見えにくい場所ですが、だからこそ最も「自分らしさ」を反映できるポイントです。

○ キュプラの機能性
当店では、吸湿・放湿性に優れた「キュプラ」素材の裏地を強く推奨しています。静電気を抑え、袖通りの滑らかさは、一度体験するとポリエステルには戻れません。夏場でも快適にスーツを着るための必須条件と言えます
○ 色と柄の遊び心
ビジネスで個性を出すなら、ジャケットを脱いだ瞬間にチラリと見える裏地のカラーにこだわってください。例えば、ネイビーの」スーツなら、あえて深みのあるワインレッドや、同系色のペイズリー柄を選ぶのがおすすめです。

■ 今すぐできるアクション
店頭にお越しの際は、まず生地を決め、その後に「ボタンと裏地」を合わせてみてください。私がおすすめするステップは、「生地の上に乗せてみる」こと。バンチ(生地見本)の上で組み合わせることで、実際の完成イメージが格段に掴みやすくなります。
「派手なのは不安」という方は、まずは同系色のトーン違いから始めてみませんか。さりげないこだわりこそが、ビジネス相手に「この人は細部まで丁寧な仕事をする人だ」という信頼感を与えます。

名古屋セントラルパーク店 黒川



