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生地の話 目付編【名古屋広小路通り店】

2023.08.14 GINZAグローバルスタイル・コンフォート名古屋広小路通り店
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こんにちは。

 

 

鈴木(晴)です。

 

 

 

今回は生地についてのお話です。

皆さまは『目付』という言葉を聞いたことはありますか?

スーツに限らず、生地に共通する言葉です。

 

 

タグやバンチブックの裏に書いてあり、基本は「g(グラム)」ですがイギリスで使われているヤード・ポンド法の重さの単位である「oz(オンス)」も一緒に書かれている場合もあります。

 

そしてこの目付によってスーツが夏用か冬用かなどが判断できます。

しかしネットにはあまり書いていない落とし穴もあるので、深堀していきます!

 

 

目付とは

 

生地に使われている糸の密度の違いを重さで表したものです。

スーツに使われる生地は上2ピースで平均150cm×3.2mの大きさの生地を使用します。

目付とは、150cm×1mあたりに使用されている糸の重さを示したもので、重いものは密度が高く秋冬向けというような判断が出来ます。

 

目安として

240g以下:春夏

260g以上:秋冬

とされています。

 

そしてその間である240~260gがオールシーズン、通年用という考えで基本的には問題ありません。

インポート生地はその国の気候によって通年向けの重さが異なる為注意です。

 

例えば、日本よりもっと寒いイギリスでは260~290gが通年用とされています。

これを真に受けてそのまま案内する日本の店も多いです。

 

しかし、この目付を信じすぎてはいけません。

ここに前述した落とし穴があります。

 

 

生地によって240gよりも260gの方が涼しく、春夏向けである場合もあります。

それは、生地の織り方の違いです。

 

スーツの生地には大きく分けて二種類の織り方があります。

・平織

・綾織

の二種類です。

 

 

平織

春夏夏向けの生地で1本の糸が、1本の糸と交差させる織り方です。

単純な構成なので目が粗く、摩擦に強いです。

後述する綾織りよりも耐久性が高く通気性が高いのが特徴です。

 

 

 

綾織

「ツイル」とも呼ばれ、平織に比べてツヤが出やすく、斜めの折柄が出るのが特徴の織り方です。

糸の密度が高く、保温性に優れているため、オールシーズンや秋冬向けに多いです。

 

 

 

綾織は、その中でもさらに2つに分類されます。

 

2/1ツイル

経糸が2本上に出て、1本潜るのを繰り返していく織り方で、生地によっては表と裏とで色が異なる場合があるのが特徴です。

春夏ものでもこの織り方の生地はあります。

 

2/2ツイル

経糸が2本上に出て、2本潜るを繰り返していく織り方で、とてもバランスの良い基本形の綾織です。

2/1よりも更に密度が高くなるため冬向けの生地になります。

 

 

基本的にこれらの織り方と目付によって季節の目安になります。

つまり平織260gと2/2ツイル240gであれば、前者の方が快適に過ごすことができるというわけです。

 

 

また、よくオールシーズンの生地で作りたいと言われることがあります。

年に1、2回しか着ないという方や着る機会の少ない礼服であれば話は別ですが、それ以外であれば私個人としてはオールシーズン生地の購入はオススメしません。

 

 

まずオールシーズン・通年用とは一年を通して着られるスーツという意味合いで使われることが多いです。

 

しかし日本(地域によりますが)は夏は35℃、冬は5℃程度でその寒暖差は30℃にもなります。

また、関東より南は基本的に湿度が高いです。

湿度は4%上がると体感温度が1℃上がると言われていますので、体感は更に暑いです。

 

30℃もの寒暖差を一着のみで快適に過ごせるスーツなど存在するわけがありません。

どこかの季節は必ず我慢する必要があります。

 

それは冬です。

暑さは生地を薄くしたところで暑いのは変わりませんが、寒さは着こめばマシになります。

そのため夏に合わせて薄い生地で作ることになります。

 

屋外ならば、コートを着るので足元がかなり寒くなる以外はそれでいいでしょう。

 

しかし、屋内ではそうはいきません。

冬服を着ている人に合わせて暖房がセットされているので夏服を着ていたら設定温度よりも寒いですし、人の出入りで簡単に熱は逃げていきます。

 

 

私は北海道出身なので寒さを耐えてはいけなことはよく知っています。

 

 

また、着回し用に数着用意していたとしても一年中着ていればすぐにダメになって買い替える必要があります。

結果、夏用・冬用スーツをそれぞれ揃えるより高くつくことになるでしょう。

 

 

前述のとおり年に数回しか着用しない人は夏に合わせて購入していいと思います。

しかし仕事でほぼ毎日着る人は週で着回ししているとは思いますがせめて、冬用とその他の季節で用意することをお勧めします。

 

 

 

名古屋広小路通り店 鈴木(晴)

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