GSイチ生地に詳しい中村の生地紹介 ⑤カノニコ【博多駅中央街店】
生地紹介の5回目
ハイブランドは大体終えたのでミドルランクに入ります。
ミドルランク初回はカノニコ!
お客さんとしてGSを利用したときに仕立てたのがカノニコなので人生初オーダースーツはカノニコです。
おそらく、弊社を利用されたことがある方で人生初オーダースーツがカノニコ、もしくは過去にカノニコで仕立てたことがあるという方はすごく多いのではないでしょうか。
なぜカノニコはそのような存在なのか。
結論から申し上げますと「ちょうど良い」からです。
何がちょうど良いのか。
〇弊社で取り扱いのあるコレクションの特徴
〇弊社で購入するメリット
〇向いている人そうでない人
の3つに構成してお伝えさせて頂きます。
〇弊社で取り扱いのあるコレクションの特徴
カノニコは恐らく弊社の着分生地の中で最も多くのコレクションがある生地ブランドです。
列挙するときりがないですが、頑張ってみます。
S110ペレニアル目付260・240、2PLYSUPERBIO、カラフルなプリュネルツイル、カモフラのジャガード、キッドモヘア16%混紡のモヘアツイル、カシミアリベンジ・S150リベンジ・シルク混ソラーロ、スポーツトロピカル、モンテカルロジャケット、ウール100シアサッカー、S120サキソニー目付270、S100フランネル目付340、目付550くらいのダブルフェイスコート生地
もしかしたらもう少しコレクションがあるかもしれませんが、記憶の限界です。
多いですね。
結論の「ちょうど良い」はこのコレクションの多様性から成るものです。
こんな生地ないかな…。と思った際にカノニコのコレクションラインナップを考えると大体ヒットします。
上記はバンチを含んでいないのでバンチを含めるともっと多彩なコレクションです。
その中でも代表的・個人的に好きなコレクションに絞り、ご紹介していきます。
・S110ペレニアル
カノニコの代表的な生地です。
スーパー110の目付260と240がありますが、個人的に好きなのは260の方。
ベーシックともいえる生地なので多くの方にご納得いただけるクオリティ。
特出してこう!という特徴はないのですが、ロロピアーナのフォーシーズンと並べたら、正直当てられる自信がありません。
派手過ぎず、地味過ぎず、それでいて現代的なカラーパレットなので上質な生地感がうかがえます。
ヘリンボーンを含めたストライプが多く選ばれている印象です。
ストレッチ感はさほど強くないですが、テクスチャーが芯が残る感じもありません。
S110なので綾目も比較的見えるので、シワが残りすぎることもありません。
生地のご紹介をする際に、このペレニアルを紹介しないことの方が少ないと思います。
・W84MO16モヘア混「モヘアツイル」
ドーメルのオリジナルトニックやスーパーブリオでも記述しましたがモヘアを混紡すると、肌離れが良くなりドライタッチなので涼しい着心地と独特のシャリ感から生み出される光沢感が非常に上品なので夏の宝石と呼ばれるくらいに昇華します。
ただ、そのシャリ感が故にどうしても固くなることは事実です。
そこで、カノニコのモヘアツイルはモヘアの中でも柔らかいキッドモヘアを混紡しております。
別のコレクションでモヘアクワトロという4分の1モヘアというものもあるのですが、この生地に比べてしなやかさが段違いです。
アダルトモヘアではなくキッドモヘアを使用することで、ハリ感をなくし、ただ見た目の光沢感は表現しているという、何とも玄人志向の生地。
着やすくて嗜好性が高い生地。
何とも琴線をくすぐられる生地です。
・リベンジ
弊社でお取り扱いのあるリベンジはS150のW100で目付270のものとカシミアを10%混紡した目付230のものがあります。
一般的にS表記至上主義の方からすれば150やカシミア混なんてデイリーユース向きではないということはコモンセンスです。
ただその常識に逆らう、もっと言うとその概念をぶち壊すくらいの勢いで織られたのが復讐を意味する「リベンジ」です。
何が言いたいかというと、その辺のS150の生地の耐久性ではないということです。
もちろん、強撚糸の生地や目付300オーバーの生地と比較すると耐久性が低いのは事実です。
ただ一般的なW100で目付260前後の生地と比較してみるとさほど変わらないと思います。
カシミアやS150の糸は本当に艶々していて目の保養になります。
艶々している生地はストレッチ感もあるので肌に吸い付くようなドレープが出ます。
トロフェオを着たことある方は感じたことがあるかもしれませんが、下手なストレッチ生地より伸びます。
もちろん、見た目は言わずもがな。
エグゼクティブ同志の会話の種になりそうです。
〇弊社で購入するメリット
弊社関わらずカノニコを語る際に切っても切り離せないキーワードは「コスパ」
ここで言うコスパは「金額に対するパフォーマンスの高さ」というもの。
市場で1万出せば100のパフォーマンスであれば、120のパフォーマンスをしてくれるものが、ここでいうコスパの高さ。
カノニコはゼニアの生地も作っていることもあるので、金額におけるパフォーマンスの高さはわかりやすいかと思います。
では弊社で購入するメリットです。
結論から申し上げますと、コスパが高いからです。
ここで言うコスパは「市場における同商品の価格に対して価格がどうか」というもの。
ペレニアルでコンビ価格44,000円から
モヘア混でコンビ価格51,000円から
リベンジでコンビ価格54,000円から
信じられますか?
いやいや。どこのショップにペレニアルのオーダースーツが4万円代で仕立てられるところがあるでしょうか。いやありません。
これはもう反語ですよ。
ただでさえコスパが良い生地が弊社を通すともっとコスパが良くなります。
〇向いている人そうでない人
上記致しましたが、共通して言えることはあまり強度は強くありません。
私事ですが、初めて作ったカノニコのスリーピースは就活で使い倒して半年ほどで股が溶けてしまいました。
破けたとか裂けたとかではなく溶けました。
股ずれを頻繁に起こす方であれば、わざわざ上記のコレクションを選ぶのではなくて、カノニコであれば21μシリーズをおすすめ致します。
ただ、一般的なサイズ感の方に関しましては、万人におすすめできますし、シルエットさえ無理しなければ、股ずれを起こす方でもご提案できます。
あと、豊富なコレクションがありますので、どんな方にでもご提案ができるかと存じます。
いかがでしょうか。
多彩なコレクションを誇るカノニコ。
様々なニーズに対応できるのにも関わらず、低価格。
「ちょうど良い」がご理解いただけますと幸いです。
ちなみに、冒頭の真っ赤な彼もカノニコのスーツです。
弊社ではインポートスーツフェアと題しましてカノニコの生地が大変お買い求めしやすくなっております。
すこしでも興味が御座いましたら、参考頂ければ幸いでございます。
さて、中村が所持しているカノニコの紹介ですが、今はウールシアサッカーのスーツとフランネルのジャケットしかありません。
フランネルを今ご紹介してしまうと、見るだけでも暑いのでシアサッカーのご紹介を致します。
博多駅中央街店
中村